極太ボールペン対決!スラリvsスーパーグリップGキャップ式!書きやすいのはどっち?
文房具レビューの第2回は、極太ボールペン対決です!

対決するのは、「ゼブラ・スラリ(芯径1.0mm)」(写真左)と「パイロット・スーパーグリップGキャップ式(同1.0mm,1.2mm,1.6mm)」の2製品。
滑らかインクの「スラリ」!
まず1本目は、なめらかインクが特徴のスラリ!

1.0mmの太芯の書き味はいかほどでしょうか?!
墓地やすさで勝負の「スーパーグリップG キャップ式」!

こちらは、持ちやすさを主眼に置いたボールペン。
スラリとの比較用に、1.0mm、1.2mm、1.6mmを購入しました。
旧来型の油性インクのようですが、指にしっかりフィットするという、ラバーグリップがインクのハンデを克服できるでしょうか?
どちらがより書きやすいのか、徹底レビューいたします!
すでに書き味最高のボールペン「フィラーレ」に出会っていた!
さて、その前に、今回レビューに至った経緯についてお話しするので、私に3分だけ時間をください!
実は私、すでに書き味最高のボールペンに出会っていたのです。

そのボールペンは、「ゼブラのフィラーレ」!
日々、極上の書き味を実感しながら、ペン習字の練習に励んでいたところです。
こちらが、そのレビュー記事↓
なので、新たにボールペンを買う必要はないのですが、文具好きの悲しい性?で、つい他のボールペンも気になってしまうのです。

それで、商品チェックしていたら…
あることに、気づいてしまったのです!
同じエマルジョンインクの「スラリ」には、1.0mm芯が存在した!
フィラーレに入っているエマルジョンインは、スラリにも採用されており、1.0mm芯も存在するということに!
(フィラーレは0.7mm芯だけ)

「芯径が太いほど滑らかになる!」
どこかで、そんな話を聞いた覚えがありました。
気になるエマルジョンインクの1.0mm芯の書き味!
- 1.0mmのエマルジョンインクの書き味はどれほどのものか?
- フィラーレの0.7mmでこれほど書き味がいいのだから、1.0mmならもっと書き味がいいに違いない!


エマルジョンインク1.0mm芯の存在を知ってしまうと、いてもたってもいられません!

幸いにもスラリの価格は税込110円!
悩むほどの額ではなかったので、さっそく試してみることにしたわけです。

スーパーグリップGには、さらに極太の1.6mm芯があった!
スーパーグリップGのペン先を比較!

もう少し調べてみると、スラリよりもさらに芯径が太い1.2mmや1.6mmの、パイロット製・超極太の「スーパーグリップGキャップ式」も発見!

ついでとばかりに、同時購入したわけです!

「スラリ」と「スーパーグリップG」の比較結果は?
ちょっと前置きが長くなりましたので、総合評価から先にお伝えいたします!

★総合評価
評価項目は以下の4つ。
- 書き味
スラリ ★★★★★|★★★☆☆ スーパーグリップG - インクの特性
スラリ ☆★★★★|★★★☆☆ スーパーグリップG - 持ちやすさ
スラリ ☆☆★★★|★★★★★ スーパーグリップG - デザイン
スラリ ☆☆☆★★|★★★☆☆ スーパーグリップG
星の合計は同点ですが、「書き味のスラリ」と「持ちやすさのスーパーグリップG」という、それぞれの持ち味が明確に分かれる結果になりました。

適材適所で使い分けることで、より豊かなペン習字生活が送れそうです!
★書き味
続いて項目ごとに比較結果を見ていきましょう。
まずは書き味の比較から。
やはり、ボールペンにとって最も重要なのは、書き味ですよね?
ヌルヌル書ける!スラリは極上の書き味!

総合評価で示したように、書き味がよかったのは、スラリのほう。
なめらかにスラスラ、というよりヌルヌルッとした感触で文字を書くことができ、非常に気持ちの良い書き味を楽しめます。

エマルジョンインクの強みを生かした、スラリならではの書き味です。
芯径が太い(1.0mm)だけあり、前回レビューした、同じエマルジョンインクのフィラーレ(0.7mm芯)をも上回ります。
スーパーグリップGも旧来型の油性インクとしては極めて滑らか!
一方のスーパーグリップGも、旧来型油性インクとしては、極めてなめらかな書き味を実現しています。

やはり芯径が太いだけのことはありますね。芯径1.2mmならスラリの1.0mmにかなり近い書き味です。
ただ残念なのが、芯が太くなればなるほど、カスレやすくなること。ここが旧来型インクの弱点でしょう。

時折、書き出しでインクが乗らないケースがあり、ペン習字の清書用に使うことはできませんでした。
いつもどおり書いてるはずなのに、書けてないのは結構ストレスに感じますね。

こんな感じで、書き出し以外にもかすれることがあります。

ボールが大きい分、インクがボールに乗りきらない(ムラができる)のが原因でしょう。
なので、ウォーミングアップするのがおすすめです。
一旦ボールにインクが馴染んでしまえば、カスレにくくなりますよ。
ティッシュペーパーのうえででクルクルッと丸を書くのが、おすすめのウォーミングアップ方法です。
ちなみにスラリを使用中は、ほとんどカスレは生じませんでした。
★インクの特性
続いて、インクの特性を見ていきましょう。
近年のインクは、性能向上が目覚ましく、黒はよりクッキリ濃く書けることを各社追及していますよね?
両方ともクッキリ黒いが、とくに濃いのはスラリのほう!
スラリのエマルジョンインクもその路線で、やや赤茶寄りの、クッキリと濃い黒インクです。

一方でスーパーグリップGは、青寄りの黒。
単体で見れば、十分濃い黒ですが、スラリと比べるとやや薄め。
とはいえ、旧来型の油性インクとしては、とても濃い発色です。
芯径が太いほど濃くなるので、より太い芯を選択することで、その差はグッと縮まります。
ぼた落ちするのが残念…
ただ、太芯を選ぶことは、諸刃の剣。
芯が太くなるほどに、ぼた落ちのリスクが伴います。

両者ともに、ときどきぼた落ちするのが気になりました。
「東」の中心線のような長い縦画の最後にはねるときや、「の」の左下のように、途中で逆方向へ線を折り返すときに、ぼた落ちが発生しやすくなります。
気温が高くなる夏場は、特に顕著です。(逆に冬はあまり気になりません)


こんな感じで、折り返すときにインクの塊ができてしまいます…
これはスーパーグリップGの1.6mmですが、スラリも同じ傾向がみられます。
ただし、ぼた落ちについては、つぎの対策を実施することで、いくらか軽減することが可能です。
ぼた落ちの軽減策
- 時折ペン先をぬぐって、ペン先にたまったインクを除去する
- 線を書くごとにペンを回して、インクが一ヵ所にたまらないようにする
ただ、1.0mm以上の太芯で書くような大きな文字なら、ぼた落ちも「書の味』といえなくもありません。
上手く付き合っていきましょう。
すぐ乾くので致命的というほどでもありませんので。

速乾性・耐水性ともに申し分なし!
試しに「書いた直後に指でこする」「水滴を落として数十秒待つ」といった実験もしてみました。
その結果、スラリは多少インクが伸びるものの、水性ペンのように大きく広がるようなく、実用上は問題なしです。
水滴テストも軽くクリア!ほとんど変化なしでした。

スーパーグリップGは、芯径1.0mmと1.2mmなら、書いた直後に指でこすっても、インクが伸びることはありませんでした。
芯径1.6mmになると、インクが伸びて少し紙が汚れましたが、許容範囲といえるでしょう。
水滴テストもスラリ同様、見事クリア!

両方ともインクの性能が、とても高いことが分かりました!
★持ちやすさ
次は持ちやすさの比較です。
ボールペンで大切なのは、なにもインクだけではありません。
スーパーグリップGは、格子状のラバーグリップでしっかり持てる!
いくらインクの性能が良くても、持ちにくいようでは、きれいな文字は書けませんよね?
そういう意味では、両方とも及第点を超えているのですが、より持ちやすかったのは、スーパーグリップGのほうです!

格子状のラバーグリップがとても持ちやすく、多少の手汗でもビクともしません。

直径約9mmの細軸で、ペン先がコントロールしやすい形状になっています。

スラリも十分持ちやすく、軸径は標準サイズの11mm!

一方の、スラリは、標準的なサイズの約11mm。

スーパーグリップGより劣るものの、スラリも十分持ちやすく、長時間書き続けても疲れにくい形状です。
★デザイン
最後にデザインにも触れておきましょう。
スーパーグリップGの方が、デザイン性がやや高い!
両方とも、いかにも事務用品といったデザインで、これといった特徴はありませんね。

特にスラリは、透明軸にラバーグリップというごく一般的なデザインで、どこにでもあるようなデザインです。
それに対して、スーパーグリップGは、若干ですがデザイン性が感じられます。

昔ながらのデスクペンを彷彿とさせるキャップ式ボールペンで、しっぽにかけて細くなる形状がレトロです。

使い比べてみた感想は?
「書き味のスラリ」と「持ちやすさのスーパーグリップG」
このように同じ極太ボールペンでも、詳しく比べてみることで、「書き味のスラリ」と「持ちやすさのスーパーグリップG」という、個性があることが分かりました。
そのことを踏まえたうえで、あらためて使用感を述べてみます。

まず、書き味はスラリに軍配が上がりました。
しかし、スーパーグリップGも十分滑らかで、どちらも気持ちよく字が書けます。

例えば、ペン習字の練習で、その日の予定分を完了しても「あと一文字だけ」という感じで、つい書きすぎて(?)しまうのです。
なんというか、ヌルヌルッとした独特の書き味が、病みつきになった感じですね。
スラリとスーパーグリップGのよいところ
- 少し粘り気のあるヌルヌルッとした書き味が快適!
- 書くことそのものを楽しめるので、ペン習字のモチベーションが上がる!

ただ、極太芯が災いして、ぼた落ちするのが残念です。
かしこまった文章を書くには、向いてないような気がします。
スラリとスーパーグリップGのよくないところ
- ぼた落ちが気になるため、清書用には向いてない…

<追記>冬はほとんどぼた落ちしないのと、ペン習字講座の受講によりペンの扱い方が上達したことで、清書にも使えることが分かりました!
できるだけ筆圧を抑えて、軽く書くと、ぼた落ちが軽減できますよ。
ボールペン以上、サインペン未満な使い方ができる!
また、ペン習字以外にも、次のような使い方に向いていると思いました。
ペン習字以外の使い方
- KJ法などの思考整理術に…
- 忘れたくないことの覚え書き用に…
- 付箋紙のような小型紙片への情報記載(メモ)用に…
太くてクッキリした文字が書けるので、視覚に訴えかける効果が高く、頭の中を整理するのに役立ちます。
文字そのものがイメージとして脳に直接訴えてくる感じ、と言ったら分かっていただけるでしょうか?
細字ボールペンより目立つ字が書けるので、付箋メモにもピッタリです。

それでいて、画数の多い文字でもつぶれにくいので、ボールペン以上、サインペン未満な使い方だってできます。
ただ、スーパーグリップGは、使うたびにわざわざキャップを外さなくてはならないので、「何かをしながらメモをとる」ような場面では、使いづらさを感じてしまいます。
そういう意味では、活躍の場が広いのは、スラリの方かもしれませんね。
いつまでも書いていたくなる!
まあ、ぼた落ちなどの欠点もありますが、ともかく書いてて気持ちいい!
太くて力強い文字が、ヌルヌルッと書けるので、本当にいつまでも書いていたくなる書き心地なのです。
書き比べてみたので、その一部をお見せします。

極太加減が、少しでも伝わればいいのですが…
(一文字が、10mmマス4つ分(2cm四方)の大きさです)
ゼブラの「スラリ」は、こんな「あなた」におすすめ!
そんな「スラリ」をおすすめしたいのは、滑らかにスラスラ(というよりヌルヌルッ)と、滑らかに書きたい「あなた」です!

エマルジョンインクならではの、ヌルヌルッとした独特のタッチが楽しめます。
スラリには、今回レビューした1.0mm芯以外にも0.5mm、0.7mmがありますが、滑らかさを求めるならやっぱり1.0mmがおすすめです。
パイロットの「スーパーグリップG」は、こんな「あなた」におすすめ!
一方の「スーパーグリップG」は、低粘度油性は滑る感じがして馴染めない「あなた」におすすめです!

スーパーグリップGには、旧来型の油性インクが装填されています。
そのため、低粘度インクにありがちな、ツルっと滑るようなことはありません。
適度な粘り気があるので、落ち着いて文字を書き進めることができますよ。
1.6mmという、超極太芯が選べるのもいいですね。
こんな人には向いてなさそう…
逆に…
- インクのぼた落ちは許せない…
- ノートに小さい文字をぎっしり書きこみたい…

こんな人には、両方ともにおすすめできません。
どちらも0.7mm、0.5mm芯が用意されているので、そちらの使用をおすすめします。
まとめ!
最後にレビューをまとめておきます。
スラリの特徴は、なんといってもその書き味!
握りやすさや、ぼた落ちという側面から見ると、もっといいボールペンがあるかもしれません…
しかし、このヌルヌルッとした独特の書き心地は、他にはない独特もので、ペン習字初心者のモチベーションを高めてくれます。

スーパーグリップGは、握りやすくて書きやすいのが最大の特徴!
格子状のラバーグリップが、手に吸い付くようにフィットするので、長時間書いても疲れにくく、ペン習字の練習もスイスイ進みます。
その半面、どちらもぼた落ちしやすいのが欠点です。
うまく使いこなせば軽減できますが、ここぞという場面では使いづらいのが正直なところ。
割り切って、練習用として使うのがいいかもしれませんね。

<追記>上の方でも追記したように、できるだけ筆圧を抑えて、軽く書くと、ぼた落ちが軽減できます。
冬はほとんどぼた落ちしないので、清書にも使えるはずです!
おまけ)もっと書きやすく改造しよう!
最後に改造のおまけです。
内容は、スーパーグリップGの本体に、スラリの芯を入れるというもの。
インクとグリップのいいとこどりをしよう、というわけです。

改造といっても、とっても簡単!
紙、セロテープとハサミがあれば、あっという間に完成します。
スーパーグリップG in スラリの改造手順
- 適当なサイズの紙を用意する
(チラシなどでOK) - 紙を巻いてパイプを作る
- 作ったパイプを芯の後ろにセロテープで固定する
- スーパーグリップGの芯の長さに合わせてパイプ部分を切る
- スーパーグリップGに装填する
- 軸にねじ込んだら「スーパーグリップG in スラリ」の完成!
ご覧のように、とっても簡単に「スーパーグリップG in スラリ」が完成しました!
ただ、新品でやるとスーパーグリップGの芯が無駄になってしまうので、インクを使い切ってからの方がいいですね。
頑張って使い切りましょう!(笑)